布田一樹
リョーユーパン(福岡県大野城市)の創業家の北村俊策会長からパワーハラスメントを受けたなどとして、元社長の男性が会社と会長に計2145万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、福岡地裁であった。松葉佐隆之裁判長は「パワハラなどがうつ病発症に寄与した」として、計1045万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は1981年に入社し、2017年に社長に就任。18年11月から業績悪化を理由に、会長から会議で「会社の金を横領するより始末が悪い」「無能だ」「最悪の状態になったら呪い殺してやる」などと言われ、19年2月にうつ病と診断され同3月末で退任した。
原告側は「パワハラで精神的苦痛を受けた」、被告側は「会長は会社の業績に危機感を抱き、原告の奮起を促す目的で発言し違法性はない」などと主張していた。
判決は、会長の発言について「原告の業績や会社での地位、人格を否定し、不法行為を構成する」と認定。ただ、男性は会社の業績に思い悩み、「うつ病の原因が専らパワハラであるとはいえない」として、慰謝料を100万円と算定。支給されなかった退職慰労金850万円などを含めた支払いを被告に命じた。
リョーユーパンは「判決内容を見ていないのでコメントは差し控える」としている。(布田一樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル